圍爐煮茶 (いろり茶席)


管理人のコメント:
 2018年4月、南投県鹿谷郷溪頭の妖怪村で開かれた圍爐煮茶(いろり茶席)の様子をご紹介します。妖怪村というのは、溪頭にあるホテル、溪頭明山森林会館が運営する施設で、日本のお祭りとお化け屋敷を足して2で割ったようなところです。オープンして以来大人気で、いつもにぎわっています。

 圍爐煮茶(いろり茶席)は台湾のお茶産地、南投県鹿谷郷で張素鸞老師が考案した新しい茶席のスタイルです。その目的は観光客に台湾のお茶を楽しんでもらうことです。そしていちばんのポイントは、お客さん自身がお茶を淹れることにあります。「圍爐煮茶(ウェイルー・ジューチャー)」は炉を囲んでお茶を入れるという意味なので、囲炉裏(いろり)茶席と日本語訳しています。
 圍爐煮茶(いろり茶席)では、お客さん自身がお茶に触れ、茶器を扱い、お湯を注いでお茶を淹れ、同席の人にお茶を振る舞い、しかも一度に何種類ものお茶を味わうことができます。お茶を楽しむいろいろな要素が凝縮され、お客さんは大いに喜んで帰ります。台湾茶の経験がない観光客や外国人にも人気があり、最近では鹿谷郷を訪れる団体観光客のスケジュールによく組み込まれています。

 この日の圍爐煮茶は、妖怪村にある神楽舞台を模したような屋外施設で開かれました。お客さんはタイから台湾の観光を取材に来たメディア22人と彼らを案内する鹿谷郷政府の3人の役人からなる団体でした。
 お客さんが22人なので、7人の席を2組と8人の席、計3組の茶席を用意しました。一つの茶席で8種類のお茶を淹れます。茶席の時間は1時間で、途中3煎目が終わった頃にお茶請けを出します。

 茶会は午前10時30分の開始予定でしたが、お客さんたちは9時半ぐらいに近くの溪頭森林公園の散策に出かけたきり、戻ってきません。11時になっても、11時半になっても・・・。やっと戻ってきた茶会が始まったのは、12時近く。本来なら終了時間を過ぎた頃の開始となりました。
 私と張老師、もう一人の張淑貞老師は、この日は午後1時30分から埔里で別の茶会に参加する予定があったので、12時には妖怪村を出たいところでした。結局始めの30分だけ会場にいてあとはほかのスタッフに任せて、大急ぎで埔里に向かうことになったのです。
 台湾時間というのはよく体験し、私もかなり慣れてきましたが、さすがに今回はビックリしました。(2018年4月)


妖怪村のある溪頭のホテル、明山森林会館(Ming Suan Hotel)。いつのまにか「妖怪村主題飯店」に看板が変わっていた!

 
 こちらは何年か前の明山森林会館。まだ看板がMING SUAN HOTELになっている。妖怪村はホテル正面玄関の目の前の鳥居の奥にある。

鳥居の奥に、この日の会場となる神楽殿を模した建物が見える。右側の道を進むと、このエリアの観光の中心、溪頭自然教育園區(通称溪頭森林公園)がある。夏でも比較的涼しく、簡単な山歩きが楽しめるので、休日は大変な人出になる。

会場に運び込まれた備品。茶席で使うミニテーブルとイスは、一組に収まるように作られていた。それが段ボール箱にぴったりと収まる。

 傍らの水屋では、茶器類のセッティング。角盆は西浅草合羽橋で購入したもの。2人の張老師。

各席で使う茶葉は前日に計量、包装して準備してある。茶名の札をつけた茶缶に入れていく。

9時半過ぎ、茶席の準備を始めていると、今日のお客さんたちがやってきた。彼らは茶席の前に溪頭森林公園の散策に向かったのだが・・・10時半には戻ってくる予定だったのだが・・・鹿谷郷政府の役人が引率し、茶席の開始時刻もわかっているはずなのに・・・

だいたいの設営が整った会場で、張老師と通訳が進行の打ち合わせ。開始時間が大幅に遅れ、この打ち合わせもほとんど無駄になってしまう・・・

3組22人の茶席準備が完了。炉の代わりに中央に大きな土鍋。イスの上にはその席の茶葉名が書かれたエプロンが置かれている。このエプロンを着ければ、何の茶を入れているのか一目瞭然。この日の茶葉は、高山茶(杉林溪)、鉄観音茶、紅茶、金萱茶、貴妃茶、凍頂烏龍茶、東方美人茶、それに老茶の8種類。

日本の茶釜だと雰囲気が出るが、人数が多く大量の湯を使うので、土鍋になった。席から鍋まで距離があるが、ここでは日本で調達した茶道で使う柄杓が大活躍。柄杓は二人で一本を共用する。

会場の周辺には、妖怪村の売店や食べ物屋が並んでいる。舞台に大きな太鼓が引き出された。

会場設営も終わり、開始時刻になってもお客さんたちが森林公園散策から戻ってこないので、近くの店をのぞきに行った。昼近くなると観光客向けの店も次々にオープン。これは蓮霧(リエンウー)、赤は普通だが、白は珍しい。

おもしろい形のカボチャ。右端はズッキーニかな。

これは龍髭菜で炒め物によく出てくる龍のひげ。左は香りの強い九層塔。

ぶらぶら歩いて山明森林会館の別館を見る。日本酒の四斗樽がディスプレーされていた。

茶席の準備が一通り終わると、スタッフはお茶請けの準備に取り掛かる。この日のお茶請けは2煎目が終わったころに出す予定。会場によっては、お茶請けは別の場所に用意しておいて、お茶がすんだ後、移ることもある。

茶梅は鹿谷郷の特産でもあるから、セールスプロモーションも兼ねていると思う。木の板にに色紙を巻いて皿にして、たくさんのっている!この紙も蕃茄に刺してある飾り楊枝も合羽橋から!

1時間半遅れで、本来なら終わる時刻の12時近くになってお客さんのご到着。大太鼓で茶席の幕が開く。このパフォーマンスは、茶席の受け元の妖怪村(明山森林会館)が準備したもの。

この日の圍爐煮茶の構造は、鹿谷郷を取材に訪れたタイのメディア22人に鹿谷の茶を宣伝するために、鹿谷郷政府が張老師に圍爐煮茶の開催を依頼し、会場を明山森林会館が提供したようだ。張老師は20~30人ぐらいに対応できる圍爐煮茶の専用茶席も持っているが、今回のように茶席一式の道具を準備し、何人かのスタッフと共に指定の会場に出張することも多い。最大70人ぐらいには対応できるというからすごい!

おそろいのエプロンを着けているのが圍爐煮茶のスタッフ。その他に会場のホテルからも人が来ていた。

ほとんどのお客さんがお茶は初体験。わいわい、がやがや、ああだ、こうだと楽しんでいた。

淹れ方の説明が初めにあるのだが、あまり真剣に聞いていないで完全自己流で勝手に入れる人もいるし、スタッフにまじめに確認しながら丁寧にいれる人もいて、おもしろい。教える方も、聞かれれば答えるけど、どういれようとご自由に楽しんで、というスタンス。蓋碗をひっくり返してる人も何人かいたけど、お湯が熱いとうことはみんな知ってるから、やけどするようなことはない。



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