台湾小吃図鑑 ②

 「小吃」は台湾の食を代表するひとつのジャンル。屋台でも、街角でも、レストランのメニューの中にもあります。一つの小吃だけを年中無休で何十年も作り続けている店もあります。その店でしか食べられないユニークなメニューもあれば、台湾中どこでも見かける定番メニューもあります。
 「何を食べるか」「どこで食べるか」を中心に、台湾のローカルな味をご紹介します。

阿給  東山鴨頭  麺線  胡椒餅  火雞肉飯
虱目魚  棺材板  牛肉湯  蝦捲  四神湯
割包  紅糟魷魚  猫耳

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阿給(春雨詰め揚げ豆腐)
【正宗阿給老店】
住所:新北市淡水区真理街6-1号 電話:02-2621-1785
営業:5:30~14:30頃(売り切れじまい) 休:無休

 阿給(アーゲイ)は、日本語の「油揚げ」から命名の小吃で、台湾郊外の新北市淡水の名物となっている。大きな揚げ豆腐の中に冬粉(はるさめ)を詰め、魚だしの汁で煮込んである。熱いうちに、甘辛?油のようなソースをかけて食べる。淡水の駅から中正路(老街)を進み、真理大学に向かう真理街の入口辺りにくると、阿給の看板を掲げた店がたくさんある。大きな油揚げにたっぷりとたれがかかって出てくる。これを割ってみると、なかからぎっしりと詰まった春雨があふれ出てくる。
 阿給35元

 魚丸湯(つみれスープ)をいっしょに注文する人が大多数だが、今回は連れが炒麺を注文てみた。汁なし麺に肉そぼろともやしをトッピングしたシンプルな麺。
 炒麺35元

 
東山鴨頭(鴨の頭骨の甘辛揚げ)
 【藍記東山鴨頭】
住所:台南市東山区中興路11号 電話:06-6802856
営業:13:30~18:00 休:無休
アクセス:台鉄新營駅から車で10分

 夜市の屋台などで時々目にする「東山鴨頭(トンシャン・ヤートウ)」の看板。並んでいるのは、甘辛く揚げた鶏の頭や首(脖子)の骨、手羽先、脚など。見た目が怖いのでなかなか手が出せない小吃の一つだ。

 肉をとった後の鴨ガラともいうべき部位を徹底的に利用したこの料理の創始店といわれるのが「藍記東山鴨頭」。台南市の外れ、東山という小さな町にある。車で連れて行ってもらったのだが、50年以上続く老舗で台湾人なら知らない人はいないというくらいの有名店なのに、小さな屋台だったのにびっくり。材料を甘辛い醤油だれで煮込んで、油で揚げるとう作業を街頭でやっている。煮込んだ後で揚げるので、表面のたれに火が入ってパリッとした感じに仕上がっている。それがおいしく食べられる秘訣のようだ。

 屋台で売っているのは、鴨頭30元、脖子(首)200元/600g、翅膀(手羽先)20元、鴨脚7元。近くに「藍色鴨子」という支店があって(中興南路78号)、こちらはちゃんとしたレストランで、営業時間は11:00~20:00。メニューも鴨頭以外に、鴨肉、鴨蛋、鴨心、米血、甜不辣、豆干などいろいろある。
 屋台のほうで頭、首、手羽先を買って、その日の訪問先、近くの仙湖農場でゆっくり食べることになった。甘辛いたれが絡まった骨をしゃぶるように食べてみると、意外とおいしい。骨にかろうじてくっついている筋や軟骨をほじくり出す感じだ。一度口にすると、止まらなくなくなった! (2013年)

※東山は台湾コーヒーの産地としても有名な場所。→おすすめテーマ「台湾コーヒー」へ

 
麺線(煮込み素麺)
【阿宗麺線】
住所:台北市峨嵋街8-1号 電話:02-2388-8808
営業:11:00~22:30 休:無休
アクセス:MRT西門駅から徒歩2分

 麺線とは、ゆでた素麺をだし汁で煮込んだ麺で、はしでは持ち上げられないくらいとろとろになっているので、湯匙(スプーン)で食べる。阿宗麺線は、台北の若者に人気のエリア西門にある有名店で、メニューは豚の大腸が入った大腸麺線のみ。トッピングに香草を散らす。
 店で食べる内用と持ち帰りの外帯があるが、店内に席はないので、みんな外の数少ないイスとテーブルか、立ち食いをする。

【延三観光夜市】
住所:台北市延平北路三段
営業:17:00~24:00 休:無休
アクセス:MRT大橋頭駅から徒歩2分

 延三観光夜市は、大稲埕迪化街を北にまっすぐ上って、民権西路を渡った延平北路で開催される。観光客は少なく、地元民の食事処になっている食べ物夜市で、日が暮れると歩道に屋台が現れ、椅子とテーブルが並ぶ。おいしい小吃屋台がたくさんある。
 麺線もその一つで、写真は大腸麺線。

 
胡椒餅(こしょう味の肉入り焼きまんじゅう)
 ピリッと胡椒(こしょう)がきいた焼き肉まんじゅうが胡椒餅(フージャオビン)。釜から出したばかりのアツアツをかじると、こしょうの香りと一緒に、豚肉餡からあふれでる肉汁が口の中に広がる。
 胡椒餅は、ナンのように、円筒形のかまの内側に張り付けるようにして焼く。街角や市場などで見かけるが、それぞれに名物店があって、人気を競っている。
【福州元祖胡椒餅】
住所:台北市和平西路三段109巷2弄5号
電話:02-2308-3075
営業:09:30~19:00 休:無休
アクセス:MRT龍山寺駅から徒歩3分

 福州元祖胡椒餅は、観光名所龍山寺のある艋舺(萬華)の西三水市場の中にある。駅前の艋舺公園の脇から入るとわかりやすい。
 胡椒餅は厚い皮にずっしり肉餡が入って、食べごたえあり。行列ができていることも多い。
 1個45元

【大學口胡椒餅】
住所:台北市羅斯福路3段335號1-1 電話番号:02-2363-2181
営業:10:30~23:30 休:無休
アクセス:MRT公館駅から徒歩5分

 國立台湾大学がすぐ目の前にあるMRT公館駅近く、学生街の人気胡椒餅店。街角に杉板で外側を覆った焼き窯が3台並んでいる。ここの特徴は、餡にバリエーションがあること。普通の豚肉餡のほかに、牛肉、雞肉カレー味、羊肉カレー味がある。
 1個50元

 
火雞肉飯(七面鳥の鶏肉ごはん)
 細くほぐした鶏肉をご飯の上にのせた小碗が、雞(鶏)肉飯だが、鶏肉ではなく、七面鳥の肉を使ったのが火雞肉飯である。火雞が七面鳥(ターキー)のこと。台湾南部の嘉義に火雞肉飯の店が多い。
【江家頂六老店火雞肉飯】
住所:嘉義県中埔郷金蘭村頂山門26号 電話:05-239-5882
営業:8:00~19:30
アクセス:嘉義駅から車で30分、阿里山に向かう国道18号線沿い

 車で阿里山に向かうときに使う国道沿いにある。高速道路3号線を下りて20km近く走ったところにある。蒸して柔らかくほぐした火雞は、鶏肉よりは味も香りも少しだけ濃い気がする。添えてある大根漬けがたくあんなのがおもしろい。
 火雞肉飯小25元。
 小菜の皮蛋豆腐20元、粉腸50元。台湾の豆腐は、豆の味が濃くておいしい。

【肉伯火雞肉飯】
住所:台南市中西区公園路12号之2
電話: 06-228-3359 営業:10:00~20:00
アクセス:台南駅から徒歩25分。

 台南市街の湯徳章紀念公園(圓環)近くにあって、2軒隣が有名な奉茶という茶店兼カフェ。店の前の歩道にもテーブルとイスを並べて営業している。この店の火雞(七面鳥)も嘉義産である。鶏肉よりちょっと粗くて味が濃い。たれが碗の底にかかっているので、混ぜて食べる。大根の漬物が添えてある。
 火雞肉飯40元。
 一緒に頼んだ香菇肉羹は、香菇(シイタケ)、タケノコの細切り、肉がたくさん入っていて、ちょと甘酸っぱい味付けのとろみスープ。30元。

 
虱目魚(シームーイー、さばひー)
 虱目魚(シームーイー)は、台湾ではもっともポピュラーな魚に一つである。特に台南、高雄、屏東など南部では、値段も安く庶民の魚として親しまれている。虱目魚は、熱帯、亜熱帯地方の海の魚だが、汽水でも育つので育てやすく養殖が盛んである。台南から屏東にかけての海岸線には、虱目魚の養殖場がたくさんある。
 虱目魚は、名前の中に「虱」の字があって、日本人は最初は驚き、ちょっと引いてしまう。日本名は「サバヒー」である。藻などを食べる草食魚で、肉質が柔らかく淡泊な白身の魚で、とても食べやすい。英名は、その身の白さから、ミルクフィッシュと呼ばれる。
【虱目魚専売店】
住所:高雄市鹽埕区新興街77号 電話: 07-531-1077
アクセス:MRT鹽埕埔駅から徒歩5分

 高雄の歴史ある下町、鹽埕埔には、虱目魚の専門店がたくさんあり、多くが朝食店として朝から営業している。名前そのままの「虱目魚専売店」もその一つ。写真左は虱目魚と油條(揚げパン)がのった虱目魚粥、右は虱目魚にカキ、エビを加えた海鮮粥で、どちらも50元。
 虱目魚は、お店で3つの部分に切り分けられ、粥やスープには背中の部分が使われる。腹の部分はおもに煮付けになる。頭と骨はスープだしに使われる。
 粥は薄味のスープご飯で、さっぱりしていておいしい。テーブルにたれが置いてあるので、焦がしニンニクを散らして付けて食べると、これがまたいい。

【阿鳳浮水虱目魚羹】
住所:台南市中西区保安街59号
電話: 06-225-66467 営業:7:30~翌0:30
アクセス:台鉄台南駅からタクシー5分

 高雄と並んで虱目魚の店が多いのは台南である。台南市街には、小吃店が集まった小吃街がたくさんあって、小吃好きには興味が尽きないのだが、保安路の小吃街もその一つ。保安宮という廟の前に道に、小吃店が軒を連ねているのだが、有名な老舗、人気店が多いのが特徴だ。
 虱目魚の専門店「阿鳳浮水虱目魚羹」もその一つ。羹(あつもの)は火へんに庚の字だが、パソコンでは出てこないので羹の字を当てる。

 写真上の左は店の名前ともなっている虱目魚羹。虱目魚の肉をたたいて団子のように軽くまとめて、とろみスープで煮たもの。台南の虱目魚の店にはよく「浮水」という字が入っている。これは、熱湯に虱目魚の団子を落とした時に、表面に浮いてくるかららしい。ちょっと甘みのあるとろみスープに、背肉とたたいた団子、針生姜が入っている。黒酢を少したらすとおいしい。
 写真は虱目魚米粉で、60元。

 
棺材板(シチュー入り食パン)
【花園夜市】
住所:台南市海安路三段と和緯路三段の交差点
開催日:木曜、土曜、日曜の週3日
営業:17:00~翌01:00
アクセス:台鉄台南駅からタクシー10分

 一度見たら忘れないユニークな名前が付いたメニューである。トーストや揚げたパンをくり抜いて、シチューを入れた洋風の創作小吃である。
 発祥は、海安路にある古い市場「康樂市場」の中にある「赤嵌棺材板」である。康樂市場は市場と小さな飲食店が一緒になったマーケットで、日本統治時代の盛り場だったことから、別名「沙卡里巴(発音はサカリバ)と呼ばれている。
 この店で「雞肝板」という名で出されていたのが、見た目が棺桶と似ているというので、棺材板という名になり、一躍有名になったらしい。日本の統治が終わり、アメリカが進駐してから生まれた、新しい小吃である。今では台南名物として、台湾各地の屋台でも見ることができる。
 花園夜市の屋台の棺材板のシチューはゆるくてあふれるようにたくさんだが、店によりいろいろ。カレー味などもある。パンもトーストしたものから、油で揚げたものまでいろいろである。


 
牛肉湯(牛肉スープ)
 台南名物のひとつが、牛肉湯である。新鮮な牛肉に熱い出汁スープをかけて食べる。ただそれだけのとてもシンプルな食べ物だが、台南では人気がある。
 牛肉湯で使う肉は、黄牛という台湾産の牛の肉で、適度な歯ごたえがあって、さっぱりとしている。日本の和牛とも、オーストラリアやアメリカの牛肉とも違う。黄牛のどの部位を使っているのかはわからないが、脂の少ない赤身で、黄牛ならではの味と歯ごたえが、支持されているのだと思う。
【石精臼牛肉湯】
住所:台南市中西区民族路二段246号
電話: 06-2232266 営業:5:30~翌2:00
アクセス:台鉄台南駅からタクシー5分、赤嵌樓から徒歩2分

 台南市内には有名な牛肉湯専門店がいくつもあるが、「石精臼牛肉湯」もその一つ。観光名所の赤嵌樓のすぐそばにある。店名にある「石精臼」というのは石臼のことで、昔赤嵌樓の周辺には米問屋や石臼で挽く精米所がたくさんあったことによるという。
 石精臼牛肉湯では、その日に屠ったばかりの新鮮な肉を細かくカットし、アツアツのスープをかける。特製の甘辛タレをつけ、針生姜と一緒に食べる。
 下の写真のミニ丼は、肉燥飯。汁だくで、白飯と混ぜて食べるとおいしい。牛肉湯100元、肉燥飯20元。

【阿宏牛肉湯】
住所:台南市安平区安平路386号
電話: 06-358-1478 営業:10:00~22:00
アクセス:台鉄台南駅からタクシー10分、延平老街から徒歩5分

 台南市街の西、観光名所の安平にある牛肉湯の店。「阿宏牛肉湯」とも「下港阿宏牛肉湯」という店名なのだが、表の看板には「潮州牛肉湯」と大きく書いてある。この潮州は、台湾南部の屏東県の潮州で、かつて大陸広東省潮州から移住した人たちが拓いた土地である。
 この店の牛肉湯の特徴は、「九層塔」というバジルのような香草の入ったスープで食べること。この食べ方が、潮州風ということのようだ。タレは、店の片隅で自分で調合するのだが、そこには、台南風味は醤油膏+針生姜+豆板醤、屏東風味は特製醤油+おろし生姜、と書いてあった。
 看板にもある通り、牛肉湯以外にもたくさんの牛肉メニューがある牛肉炒飯や牛肉とネギの炒め物もおいしかった。阿宏牛肉湯の牛肉も、台湾産の黄牛である。牛肉湯100元、牛肉炒飯90元。

 
蝦捲(シャージュェン、エビの包み揚げ)
【周氏蝦捲総店】
住所:台南市安平区安平路408之1号
電話: 06-280-1304 営業:10:00~22:00
アクセス:台鉄台南駅からタクシー10分
URL:http://www.chous.com.tw/

 蝦捲は、台南を代表する小吃の一つ。不思議な食感と味がある。ぷりぷりしたエビを豚肉のミンチやネギ、セロリのような材料で包み、湯葉のような皮でくるんで揚げてあるのだが、この皮が豚の横隔膜だという。揚げたときにここから脂が染み出すのが、コクのある味わいの秘密らしい。
 ここ、「周氏蝦捲総店」は、中に入るとファーストフード店のような雰囲気。蝦捲以外にもたくさんのメニューがあって、いつもにぎわっている。ちょっと交通の便が悪いので、安平古堡に近い「周氏蝦捲老店」や市中心部に近い「周氏蝦捲中山店」もおすすめ。
 

 
四神湯(スーシェンタン、ホルモン入り薬膳スープ)
【鎮傳四神湯】
住所:台南市中西区民族路二段365号
電話: 06-220-9686 営業:11:30~20:00
アクセス:台鉄台南駅からタクシー5分、赤嵌樓斜め前

 四神湯は、ケツジツ(水蓮の仲間のケツのタネの仁)、蓮子(ハスのタネの仁)、准山(山薬、ヤマイモ)、茯苓などから作った淡泊なスープに、豚のホルモンをいれたもの。体を温め、胃腸の働きを良くするということで、台湾では特に女性に人気のスープだ。元は「四臣湯」と呼ばれたものが、同じ発音の四神湯と呼ばれるようになったらしい。
 台湾のどこにも四神湯はあるが、台南ではここ「鎮傳四神湯」が人気No.1である。60年以上の歴史がある老店だ。
 写真には写っていないが、肌をきれいにするという薏苡(ヨクイニン、ハトムギ)も入っているのが人気の理由かもしれない。
 この店では、四神湯といっしょに糯米大腸(もち米の腸詰を頼むのが定番と聞いて頼んでみた。これが、なかなかおいしかった。四神湯35元、糯米大腸30元。

 
割包(グアパオ、台湾風角煮バーガー)
 万頭を二つに割って、間に角煮を挟んで食べる割包(グアパオ)。日本でも中華料理店などで角煮を食べるときに、割包にして食べることはよくある。台湾小吃の割包は、肉だけでなくたくさんの野菜も挟んであるのが特徴だ。
 挟む肉は、脂身のある普通肉(肥肉、ばら肉、三枚肉)か、脂身のない痩肉(赤身)を選べる店が多い。
【阿松割包】
住所:台南市中西区國華街三段181号 電話: 06-211-0453
営業:8:00~18:00 休日:木曜
アクセス:台鉄台南駅からタクシー10分、國華街の民族路口

 阿松割包は、台南の人気割包店。時間帯によっては行列ができる。赤嵌樓前の民族路を西に進み、海安路の一本手前の道が國華街。その角にある永樂市場の中にある小さな店。
 看板にもあるように、中に挟む肉は普通肉(ばら肉)、痩肉(赤身)、豚舌の3種類から選べる。こぼれるほどに酢キャベツがのっている。味付けはちょっと甘いのが特徴。一皿二つが注文単位なので、二つの肉を味わうことができる。
 写真は痩肉で70元、普通肉は60元、タンは80元。スープが付く。

【榮刈割包】
住所:高雄市鼓山区裕誠路1128号 瑞豊夜市内
営業:18:00~深夜 休日:月・水曜
アクセス:MRT巨蛋駅2番出口から徒歩5分

 高雄で地元民から絶大な支持を得ている瑞豊夜市の中にある割包の店。以前は市中心部の盛り場新堀江に「簫家刈包」の名前で店を出していて、その時から人気だったようだ。
 アツアツの万頭に、タップリの具を挟んでくれる。肉は肥肉(ばら肉)か痩肉(赤身)を選ぶ。肉と一緒に、酸菜、筍、きゅうりをのせ、ニンニク、辛味ソースをかけ、さいごにちょっと甘い粉をふる。
 よく煮込んだ肉とたくさんの野菜のバランスがよく、おいしい。45元で値段も安い!
 

 
紅糟魷魚(イカの紅麹粕漬け)
【廟口紅糟魷魚】
住所:宜蘭県宜蘭市中山路三段153号 電話:03-936-6566
営業:平日17:00~、休日15:00~(売り切れじまい) 休:無休

 宜蘭市を地図で見るとぐるりと環状の道路が走っている。これが宜蘭旧城の城壁跡で、この環状道路の内側が旧市街である。「廟口紅糟魷魚(ミャオコウ・ホンザオヨウイー)」は、旧市街の昭應宮という媽祖廟の門前にあったので、店名には「廟口」が残っている。創業は民国57年というから1968年、50年近い老店である。店のディスプレーも、廟の前にあったころのイメージを継いでいるのか、華やかこの上ない。

 紅糟(ホンザオ)とは、紅麹の酒粕のこと、魷魚(ヨウイー)はイカのことだが、イカも種類によって名前が違っていて、魷魚はスルメイカである。紅麹の天然の色素がしみ込んで、色が赤い。ちょっと甘みのある味と酒粕の香りがするところに、塩胡椒がかかって出てくる。メニューは香菇粥(しいたけがゆ)との二本立てで、粥をすすりながらイカをかじるのか、ここの流儀らしい。

 宜蘭の礁溪と台北の萬華に支店がある。

 
猫耳朵(水餃子)
【信利號猫耳朵】
住所:宜蘭県宜蘭市文昌路8号 電話:03-933-1702
営業:平日17:00~20:00 休:無休

 初めて「猫耳朶」の文字を見たのは台湾で発行された宜蘭を紹介する中国語の旅行書だったと思う。一瞬、目が釘付けになった。猫耳朶(マオアルドゥオ)とは、まさにねこの耳たぶ。食べ物の紹介のページでこの文字を見れば、誰もがどきっとするに違いない。その本は文字が中心で写真がなかった。文章を追ってみて、どうやら「猫の耳のような形をした水晶餃」とわかって一安心。そして、実際に食べてみたい!という気持ちが大きくなった。

 猫耳朶の店は「信利號(シンリーハオ)」という。1942年の創業というから、まだ台湾が日本の植民地支配下にあって、太平洋戦争が始まった年である。そのころの宜蘭の市内はどんな雰囲気だったのだろうか。話はそれるが、宜蘭市内には70年を越える年月が経つというのに、日本統治時代の建物がたくさん残っている。今台湾ははリノベーションブームで、当時の建物をリニューアルしてカフェなどに利用する動きが盛んだ。宜蘭も例外ではない。そのいくつかは実際に訪れているので、別項で紹介したい。

 さて、信利號は宜蘭旧市街を南北に抜ける中山路と東西の横切る文昌路(途中から新民路と名を変える)が交差する、旧市街のちょうど中央あたり、にぎやかな一角にある小さな店だった。店頭にオープンキッチンがあり、奥のイスとテーブルで食事するという、台湾では典型的な小吃店だ。ちょっと強面のおやじさんが一人で店をやっている。

 三角に包まれた水晶餃子は皮が厚く、透明でぷりぷりの弾力がある。粉にタピオカ粉を混ぜることで、透明感と弾力が出るらしい。具は豚肉、シイタケ、葱など。写真は「猫耳米粉」で、猫耳朶とうどんのような米粉ヌードルの組み合わせ。さっぱりしたスープがおいしい。メニューは猫耳と魚丸(イーワン=固い魚肉のつみれ団子)と米粉(ミーフェン)のみで、これらの組み合わせをスープで食べる。猫耳と魚丸は材料のテイクアウトもやっていた。


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