台湾小吃図鑑 ③

 「小吃」は台湾の食を代表するひとつのジャンル。屋台でも、街角でも、レストランのメニューの中にもあります。
一つの小吃だけを年中無休で何十年も作り続けている店もあります。その店でしか食べられないユニークなメニューもあれば、台湾中どこでも見かける定番メニューもあります。
 
「何を食べるか」「どこで食べるか」を中心に、台湾のローカルな味をご紹介します。

紅糟魷魚 猫耳 

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紅糟魷魚(イカの紅麹粕漬け)
【廟口紅糟魷魚】
住所:宜蘭県宜蘭市中山路三段153号 電話:03-936-6566
営業:平日17:00~、休日15:00~(売り切れじまい) 休:無休

 宜蘭市を地図で見るとぐるりと環状の道路が走っている。これが宜蘭旧城の城壁跡で、この環状道路の内側が旧市街である。「廟口紅糟魷魚(ミャオコウ・ホンザオヨウイー)」は、旧市街の昭應宮という媽祖廟の門前にあったので、店名には「廟口」が残っている。創業は民国57年というから1968年、50年近い老店である。店のディスプレーも、廟の前にあったころのイメージを継いでいるのか、華やかこの上ない。

 紅糟(ホンザオ)とは、紅麹の酒粕のこと、魷魚(ヨウイー)はイカのことだが、イカも種類によって名前が違っていて、魷魚はスルメイカである。紅麹の天然の色素がしみ込んで、色が赤い。ちょっと甘みのある味と酒粕の香りがするところに、塩胡椒がかかって出てくる。メニューは香菇粥(しいたけがゆ)との二本立てで、粥をすすりながらイカをかじるのか、ここの流儀らしい。

 宜蘭の礁溪と台北の萬華に支店がある。

 
猫耳朵(水餃子)
【信利號猫耳朵】
住所:宜蘭県宜蘭市文昌路8号 電話:03-933-1702
営業:平日17:00~20:00 休:無休

 初めて「猫耳朶」の文字を見たのは台湾で発行された宜蘭を紹介する中国語の旅行書だったと思う。一瞬、目が釘付けになった。猫耳朶(マオアルドゥオ)とは、まさにねこの耳たぶ。食べ物の紹介のページでこの文字を見れば、誰もがどきっとするに違いない。その本は文字が中心で写真がなかった。文章を追ってみて、どうやら「猫の耳のような形をした水晶餃」とわかって一安心。そして、実際に食べてみたい!という気持ちが大きくなった。

 猫耳朶の店は「信利號(シンリーハオ)」という。1942年の創業というから、まだ台湾が日本の植民地支配下にあって、太平洋戦争が始まった年である。そのころの宜蘭の市内はどんな雰囲気だったのだろうか。話はそれるが、宜蘭市内には70年を越える年月が経つというのに、日本統治時代の建物がたくさん残っている。今台湾ははリノベーションブームで、当時の建物をリニューアルしてカフェなどに利用する動きが盛んだ。宜蘭も例外ではない。そのいくつかは実際に訪れているので、別項で紹介したい。

 さて、信利號は宜蘭旧市街を南北に抜ける中山路と東西の横切る文昌路(途中から新民路と名を変える)が交差する、旧市街のちょうど中央あたり、にぎやかな一角にある小さな店だった。店頭にオープンキッチンがあり、奥のイスとテーブルで食事するという、台湾では典型的な小吃店だ。ちょっと強面のおやじさんが一人で店をやっている。

 三角に包まれた水晶餃子は皮が厚く、透明でぷりぷりの弾力がある。粉にタピオカ粉を混ぜることで、透明感と弾力が出るらしい。具は豚肉、シイタケ、葱など。写真は「猫耳米粉」で、猫耳朶とうどんのような米粉ヌードルの組み合わせ。さっぱりしたスープがおいしい。メニューは猫耳と魚丸(イーワン=固い魚肉のつみれ団子)と米粉(ミーフェン)のみで、これらの組み合わせをスープで食べる。猫耳と魚丸は材料のテイクアウトもやっていた。


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